皆さん、こんにちは、こんばんは、あおみつです。
皆さんは読書好きですか?好きな作家さんはいますか?
私は読む量はそんなに多くないんですが、読むのは好きです。
そして、私の好きな作家さんで伊坂幸太郎さんが書いた「魔王」を
今回読んだので、感想とおすすめポイントを書いていこうと思います。
ちなみに、2023年に新装版が発売されてますので、いかがでしょうか?
「魔王」基本情報
2005年発行
発行元:講談社
作者:伊坂幸太郎
あらすじ:会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。5年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。
続編:モダンタイムス
レビュー
ここからは、ネタバレも含むので、知りたくない人はスルーでお願いします。
物語の前半は安藤(兄)の物語で、あらすじにもある様に、考えてることを相手に言わせる
能力を持っている。
その能力を使って、困難を切り開いていく物語と思いきや、そうでもない。
日常のこんなことを言えば良いのにと思うことを、能力を使って誰かに言わせることも
あったが、それによって主人公の立場が大きく変わったりはしない。
なんとなく最後まで、どこに進んでいるのか、最後の終わりがどうなっていくのか?
伊坂さんの作品はこういうのが多い気がするので、
物足りなさを感じる人もいるかもしれない。
2005年に発行されて、2024年に読んだんですが、
今の時代背景の方が、イメージしやすかった。
今現実で起きている社会問題と、似たような問題が小説の中で
出てくるので、この問題を、安藤兄弟なんとかしてくれ!
と思いながら読んでいました。
(解決したかというと、そうでもないのが、モヤッとポイントですが)
一番印象に残ってる場面は
初回は大騒ぎでも、二度目以降は興味なし、ってことだよ。
最初はみんな、注目して、マスコミも騒ぐ。ただ、それが一度通過すると
二度目以降は途端に、トーンが下がる。
飽きたとも、白けたとも違う。
「もう良いじゃないか、そのお祭りはすでにやったじゃないか」
っていう、疲労まじりの軽蔑が漂うんだ。
魔王
もう、まさに今の日本の状況を言い表してると思ったね。
テレビのニュースを見てても、続報ってあんまりやってない印象。
どんな力が働いているのか、
ほとぼりが冷めるのを待ってるんじゃないかと、勘繰ってしまう。
いつの間にかこういう、見えない大きな力に、
自分達は飲み込まれていっているんだなと、思わされる。
それに加えて、選挙の話も出てくるんだけど、
物語の中に出てくる犬飼と言う政治家は、
なかなか実際にはいない様なタイプで(知らないだけでいるかもしれないが)
こんな政治家が、現れたらどうなっちゃうだろうと、
ワクワクすると同時に、
選挙ってやっぱり行かなきゃなと思う内容でした。
最後に
どちらかというと、娯楽の部類に入る小説を読んで、
今の社会問題を考えることって、なかなか無い貴重な体験になります。
フィクションの物語と現実が相待って、現実の問題をより深く認識する感じ。
伊坂さんの文の特徴かもしれないが、
すごく読みやすい文章です。
まだ読んだことのない方は、ぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか?
ではでは。
コメント